食から考える健康

読売カルチャー恵比寿の「病気にならないからだ作り」の「食から考える健康」講座第14期(7年目)が4月から新規開講します。

      

講座では、第1回「感染から身を守る仕組み」、第2回「腸内細菌叢と病気」、第3回「肥満は不健康の始まり」、第4回「動脈硬化」、第5回「呼吸器肝臓の病気とガン」、第6回「アンチエイジング」を毎月第二土曜日の午後1時から~2時半まで行います。

炎症は感染症と戦うのに必要ですが、必要以上に働くと自分に害をなすようになります。炎症の積み重ねは、肌から全身の老化に繋がります。肥満も炎症です。肥満予防には腹八分目と運動が第一です。最近アルコールを摂取していないのに非アルコール性の脂肪肝になる人が増えています。老化も炎症の積み重ねです。

炎症が持続的に生じる慢性炎症は色々な病気の根本原因となっています。慢性炎症を抑えることが健康に繋がってきます。自分の皮膚の細胞で作ることができるビタミンD、色々な食材に含まれるファイトケミカルズ(植物由来の化学物質の意)が健康に役立っています。我々の体の免疫機構、腸内細菌叢などを説明し、体のバランスをどのように整えるか、基礎から説明しています。4月から新規講座が開始されます。

詳しくは「よみうりカルチャー恵比寿」の事務局(03-3473-5005)まで。JR恵比寿駅ビル「アトレ」7F

「食から考える健康」セミナー

地中海食が健康に良いということでユネスコで認定され、どのような食材をたべるか、また野菜や果実を食べることの重要性が示されています。米国の「5A Day」運動では、野菜を350g、果実を200g以上を取りましょう」と呼びかけています。かって日本は野菜や果実を沢山食べていましたが、今では、食の欧米化に伴い著しく減少しています。昭和50年頃の日本食が健康に良いといわれています。基本的には食べ過ぎない、腹八分目が大切です。

「肉と泡のでる甘味飲料が大好きで、野菜が嫌い」という人が増えています。「高脂肪食+高果糖水が大好き」人間は肥満になり生活習慣病になります。このような食事を続けていると、腸内細菌叢が変り、悪玉細菌が増え、善玉菌が減少します。そして、高血圧、脂質異常症、糖尿病、動脈硬化に繋がります。腸には約1キログラムの細菌が住んでいます。細菌の栄養素は水溶性食物繊維です。炭水化物の摂取を控えると大事な善玉腸内細菌が育ちません。善玉の酪酸生産菌を増やすようにしましょう!

豚肉や牛肉には飽和脂肪酸のパルミチン酸が多く含まれています。肝臓に脂肪が蓄積すると脂肪肝になりますが、脂肪からパルミチン酸が遊離してTNF-α産生を誘導します。脂肪肝で慢性炎症が起こり酷くなると10%の人が非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)という病気になります。高脂肪食によって腸内に悪玉菌が増えると、胆汁酸(コール酸)がデオキシコール酸(DCA)に変わり、肝臓に取り込まれてNASHを誘導します。NASHの10~20%が肝硬変、肝がんになるといわれています。

肥満も炎症です。炎症といわれてもピンとこない人もいるでしょう。ハチや蚊に刺されて腫れるのも炎症ですが、「肥満が炎症?」と思われるかもしれません。脂肪から脂肪酸が遊離しそれがマクロファージという食細胞を刺激すると炎症を誘導するタンパク質が作られます。このタンパク質をサイトカンと呼び、その代表選手が腫瘍壊死因子(TNF-α)です。

野菜や果実にポリフェノールが含まれていることはご存知だとおもいます。ポリフェノールの一種でフラボノイドと呼ばれる7000種以上の物質が存在しています。玉ねぎに含まれるケルセチン、緑茶に含まれるカテキン、みかんなど柑橘類に含まれるフラボノイド、ぶどうやワインに含まbれるアントシアニン、カテキンなど色々な種類があります。ポリフェノールというと「抗酸化作用」という答えが返ってきますが、抗酸化作用があっても抗炎症作用のないものもあります。

ぶどうの表皮の白い粉はオレアノール酸というワックス状の化合物で、胆汁酸受容体に胆汁酸と同じように働きかけ、腸の蠕動運動、抗炎症作用を発揮します。オレアノール酸はワインには含まれていません。ぶどうファンタジーは丸ごと使っているので含まれています。

生活習慣病の肥満、脂質異常症、糖尿病、非アルコール性脂肪性肝炎、動脈硬化系の心不全、脳卒中、自己免疫疾患の関節リウマチ、炎症性腸疾患、脳神経性のアルツハイマーやパーキンソン病、がんの血管新生や転移、といった様々な病の根底にあるのが慢性炎症なのです。また、新型コロナ感染症で急激に症状が悪化する「サイトカイン嵐」も基礎疾患があると炎症を引き起こすサイトカイン「TNF-α」が作られます。TNF-αが持続的に作られるとそれを抑えようとしてサイトカインの{TGF-β」が作られます。これが線維化を引き起こす原因です。ビタミンDとファイトケミカルズ(植物由来の成分=化学物質)は抗炎症作用があり、炎症反応のブレーキ役をするとと考えて良いでしょう。

東京農業大学大学院生命科学研究科分子微生物学専攻で「with コロナ時代の食から考える健康」について講演しました。2021.7.7

SARS-CoV-2の感染症はウイルス増殖期とサイトカイン嵐の2時期に分けられる。先ず、ウイルス感染症における自然免疫と獲得免疫について説明した。

発症後1週間程度で回復する人と、炎症の急激な拡大が起こり重症化・重篤化により死に至る人との差が、基礎疾患の有無によることが明らかにされている。肥満、糖尿病、動脈硬化などの基礎疾患は慢性炎症が基盤にある。炎症は前炎症性サイトカインであるTNF-α産生の持続的産生をできるだけコントロールすることが鍵になる。

未利用農産物の資源化は重要な課題であるが、甲州種ぶどうの果皮・種子を植物性乳酸菌で発酵した「発酵ぶどう食品K-FGF」の花粉症・蕁麻疹などの1型アレルギー、糖尿病、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎などの慢性炎症を抑制できることを紹介した。↑ Page Top

熊沢義雄「新型コロナウイルスの正体に迫る! 重症化のカギは肥満と慢性疾患」は「健康365」誌2020.9月号

「新型コロナウイルス」はウイルスが増殖する過程、サイトカイン嵐、いわゆる「免疫の暴走」の2つの過程からなる。

肥満や糖尿病をはじめとする慢性炎症があると重症化し重篤化し易くなります。一方、症状がでない不顕性感染や発症しても軽症の人が多くいます。TNF-αは炎症を誘導する前炎症性サイトカインであり、TNF-αの持続的な産生を抑制することが大事です。ビタミンDやファイトケミカルズ、特にフラボノイのケルセチンの働きについて説明しています。     

熊沢義雄「動脈硬化や糖尿病の元凶となる慢性炎症を抑制する「玉ねぎの皮」は薬効の宝庫」。「安心」誌2019.6月号

「炎症」を抑える力が強いフラボノイド。その中で玉ねぎの皮に豊富に含まれているケルセチンにの働きに注目しています。持続的にTNF-αが作られると慢性炎症が生じ、いろいろな病気を引き起こします。ケルセチンがリウマチの腫れや炎症を抑制することを動物実験で明らかにしています。

熊沢義雄著「がン、動脈硬化、糖尿病、老化の根本原因<慢性炎症>を抑えなさい」という健康本が青春出版社から青春新書プレイブックとして上梓されました。アマゾンで購入できます。税込1080円

「炎症」の積み重ねが、血管や臓器を傷つけている! 「食事と習慣」を変えれば今日から防げる

肥満やがんをはじめとする慢性炎症がいろいろな病気の原因の一つになっており、炎症を誘導するTNF-αという前炎症性サイトカインが悪玉です。いかにしてこのサイトカインを抑制するかについて、いろいろな面から解説しています。


熊沢義雄著・川上文代協力の健康本「玉ねぎ みかん [皮] を食べるだけで病気にならない」が青春出版社から発売されました。定価:1,280円+税

今まで捨てていた「皮」に驚きの「抗炎症」パワーがあった! 

皮には果肉よりもフラボノイドやカロテノイドが多く含まれています。果糖を心配して果実を食べるなという先生がいますが、果糖を心配することなく、皮の成分が動脈硬化、脂質異常症、高血圧、糖尿病、認知症などの予防に役立つことを最新の情報に基づいて解説しています。     

 神奈川科学技術アカデミー (KAST)フォーラムで「【食】で延ばせ健康寿命」を2月23日(火)に講演しました。

神奈川県は健康寿命に日本一を目指しており、その一つが「食」です。食生活がもたらす影響について、神奈川サイエンスパーク (KSP)西棟7階709会議室で講演しました。多くの方が参加されました。    

2015.12.15 「食から考える健康」講座 第17回「慢性炎症とがん」

料理研究家川上文代料理教室「デリス・ド・キュイエール」と一緒に行ってきた「食から考える健康」講座も第17回の「慢性炎症とがん」で終了となりました。食から慢性炎症にならないようにすることが病気にならない秘訣です。がんも慢性炎症であり、がんの原因も7割が生活スタイルによることが分っています。今まで炎症を抑制する機能性食品、特にフラボノイドの抗炎症作用について講義してきました。長い間ご参加戴き、有難うございます。

 < 過去の開催情報 > 

  • 第1回「骨粗鬆症」(H.26年6月)
  • 第2回「冷え性、血流改善」(7月)
  • 第3回「ボケ・認知症」(9月)
  • 第4回「免疫力」 (10月)
  • 第5回「腸管免疫・腸内環境」(11月)
  • 第6回「炎症」(12月)
  • 第7回「肥満・糖尿病」(H27.1月)
  • 第8回「花粉症・アレル ギー」(2月)
  • 第9回「腸の健康」(3月)
  • 第10回「血管の健康・動脈硬化」(4月)
  • 第11回「認知症予防」(5月)
  • 第12回「認知症予防その2)(6月)
  • 第13回「脂質異常症・動脈硬化」(7月)
  • 第14回「肝臓病・肝炎」
  • 第15回「更年期」
  • 第16回「外なる内の粘膜免疫」
  • 第17回「慢性炎症とがん」

大阪薬科大学大学院で特別講義             「食から考える健康ー腸内フローラと機能性成分」

大阪薬科大学大学院 領域統合型先端科学特論「生命・環境科学領域」の特別講義「食から考える健康ー腸内フローラと機能性成分」を行いました。大学院生に加え、他の研究室の先生方も参加され、活発な質疑応答がありました。(平成27年12月18日)

神奈川県高等学校教科研究会理科部会(生物)で講演    「食から考える健康ー腸内フローラと機能性成分」

神奈川県高等学校教科研究会理科部会(生物)で「食から考える健康ー腸内フローラ」についての講演を横浜西公会堂で行いました (平成27年5月15日)。 

日本細菌学会シンポジウムの座長と講演         「食から考える生体調節」

第88回日本細菌学会総会のシンポジウムS1「肥満・慢性疾患・老化など人の健康に影響を与える微生物」(3月26日)の座長を総会長の江崎孝行教授(岐阜大)と一緒に熊沢が担当し、「食から考える生体調節」を講演し、好評でした。

山梨市商工会主催「講演と料理講習会」で講演        「野菜・果実を活かした予防医療」

山梨市商工会主催 「講演と料理講習会」 

 < セミナー情報> 

①熊沢義雄「野菜・果実を活かした予防医療」
②川上文代「山梨産フルーツのソースを使った料理とお話」

 < 日時 >  平成26年4月16日 午後1時半~午後4時

<カフェで学ぼう>  テーマ 「食べて防ぐ!現代病」で講演

<カフェで学ぼう>  テーマ 「食べて防ぐ!現代病」

 < セミナー情報 > 

講師:熊沢義雄(Vino Science Japan)  
日時:平成26年2月28日15:30~17:30
会場:福岡天神イズム12階シャンガーデン
主催:久留米大学先端癌治療研究センター・NPO法人ウイッグリングジャパン

横浜市主催 第4回横浜ライフイノベーション特区セミナーで講演「食から考える予防医療」

横浜市主催 第4回横浜ライフイノベーション特区セミナー

 < セミナー情報 > 

テーマ:「食から考える予防医療」
開催日:平成26年2月12日(水) 14:00~16:00
会場:横浜市開港記念会館 大会議室
講師:(1)熊沢義雄「ポリフェノールの作用による予防医療」
   (2)川上文代(料理研究家)「美味しい料理の方程式と健康」

福岡県バイオ産業推進協議会・久留米リサーチパーク主催  第42回バイオ研究・ビジネス最前線で講演

第42回バイオ研究・ビジネス最前線

 < セミナー情報 > 

テーマ:「高度化果実ポリフェノールを利用した福岡でのビジネス」
講師:熊沢義雄(Vino Science Japan)
日時:平成25年8月29日 13:00~14:30
場所:久留米リサーチセンタービル
主催:福岡県バイオ産業拠点推進会議事務局/(株)久留米リサーチパーク バイオ事業部

福岡市<カフェで学ぼう>で講演              テーマ 「フルーツポリフェノールでアンチエイジング」

<カフェで学ぼう>   テーマ 「フルーツポリフェノールでアンチエイジング」

 < セミナー情報 > 

テーマ:「フルーツポリフェノールでアンチエイジング」
講師:熊沢義雄(Vino Science Japan)
日時:平成25年8月29日16:00~17:30
会場:福岡天神イズム12階シャンガーデン
主催:久留米大学先端癌治療研究センター・NPO法人ウイッグリング・ジャパン