年を取ると、シミやくすみが現れ気になります。紫外線によってメラニン色素が作られ沈着しますが、皮膚の炎症の跡から生じる場合もあります。ホルモンバランスが乱れることで発生する「肝班」もあります。くすみは、肌の透明感や明るさが失われて、暗くくすんで見える状態を示しています。メラニン色素の蓄積、血液の循環不良、乾燥の汚れなどによって起こります。
脱毛したマウスに紫外線照射をすると、皮膚に炎症が生じ赤くなります。紫外線を照射する前に発酵ぶどう食品K-FGFを与えておくと、紫外線による発赤が有意に抑制されました。紫外線による炎症が抑制されたことを示しています。また、メラニン合成系についてK-FGFの効果を調べてみたところ、K-FGFによっていずれのメラニン合成も抑制されました。きちんと治験をした情報ではありませんが、長年ぶどうファンタジーを摂取した人から手の甲のシミ、あるいは顔のシミが薄くなったといわれました。
顔にしわができて気になります。しわの原因は「紫外線による炎症」、「加齢」、そして「生活習慣による炎症」が挙げられます。
「紫外線によるしわ」は、真皮と表皮にダメージが蓄積されて生じます。「加齢」により「表皮」、「真皮」、「皮下組織」に影響を受けますが、「加齢」によるしわは、更年期を過ぎると女性ホルモンのエストロゲンの減少もあり、肌の弾力が失われて皮下組織の境界にしわができます。「生活習慣病によるしわ」は、糖分を多く含む食事や飲み物、お菓子を摂取するすると血糖値が上昇します。糖とコラーゲンが結びつくことで「糖化」が起こります。最終糖化産物AGEsは老化物質であり、コラーゲンが糖化されることで弾力性が失われしわの原因になります。
食後の血糖値の急激な上昇「血糖値スパイク」が起ります。でんぷんを分解しブドウ糖にするためにアミラーゼやグルコシダーゼが働きますが、フラボノイドを摂取することでこれらの酵素作用を阻害することができます。前もって野菜を取ると血糖値スパイクが抑えられるのは、水溶性食物繊維の働きといわれますが、フラボノイドが酵素に結合して酵素作用を阻害したと考える方が理に適っていると思われます。実際、発酵ぶどう食品K-FGFを前もってマウスに投与すると、血糖値スパイクが有意に抑制されました。AGEsをマクロファージに作用すると、炎症を誘導するTNF-αが作られます。この系にK-FGFを作用させるとTNF-α産生が有意に抑制されました。「老化」は色々な刺激でTNF-αが作られ、炎症が起き、炎症の積み重ねで老化が起こると考えられます。
蕁麻疹は原因となる抗原を食べたり、皮膚を擦ったりすると、皮膚が腫れて赤くなり、痒くなる病気です。急性と慢性がありますが、色々な原因で起こりますが、I型アレルギーに属す場合もあります。発酵ぶどう食品K-FGFは抗花粉症作用を探索する過程で見つけられました。K-FGFの抗アレルギー作用は論文で報告しましたが、「長年、蕁麻疹で悩んでいましたが、今はぶどうファンタジーのお蔭で痒くなったら飲むことで対応してできています。殆ど気にならなくなりました。」という方もおられます。
掻き毟る程の痒みのある皮膚疾患の人が、1か月ほどぶどうファンタジーを飲んだら症状が治まったというお話を聞きました。
1)Santa K et al. Potential use of grape phytochemicals for preventing development of intestine-related inflammatory diseases. Endocri Metab Immune Disord Drug Targets. 19:794-802, 2019.
2)Kawaguchi K et al. Effects of antioxidant polyphenols on TNF-alpha-related diseases (review). Curr Top Med Chem. 11(14): 1767-1779, 2011.
<発酵ぶどう食品の抗アレルギー作用>
発酵ぶどう食品の抗アレルギー作用(花粉症など)に関する論文が発表されています。
1) Marzulli Gら 「ネグロアマーロと甲州種ぶどうを発酵したFGFの免疫調節作用と抗アレルギー作用 Curr.Pharm.Des. 2014.
2) Kumazawaら 「1型アレルギー症状を改善する自然食品、特にポリフェノールの有用性Curr.Pharm.Des. 2014.
3) 崔雨林、熊沢義雄「アレルギー症状の緩和に役立つサプリメントー発酵ぶどう食品(FGF)-花粉症対策を中心に食品工業2012.
4) 熊沢義雄 「発酵ぶどう食品(FGF)の抗アレルギー作用」 アレルギーの臨床 2011
5) Tominaga Tら「植物性乳酸菌で発酵したぶどう果皮・種子を経口投与するとI型アレルギーが抑制される」 Immunopharm. Immunotox. 2010.